ノーマル三間飛車に対する☗2六飛・☗3七桂型の右銀急戦に関する記事です。
右銀急戦とは
本記事で取り上げる右銀急戦は以下を基本図とします。AIの発展とともに有力視されるようになってきた戦法で、金無双や持久戦への組み換えなど応用の効くことから一定の人気がある指し方です。
まずは基本図以下、後手の方針を簡単に見ていきましょう。
定跡手順の概要
基本図から①☖6四歩
基本図で①☖6四歩(第1図)は自然な一手で、これは先手にある程度仕掛けさせて裁きを狙う指し方です。第1図以下、☗3五歩☖5一角☗3四歩☖同飛☗3六歩(第2図)が一例です。
第2図は☖3一飛と引いておいていい勝負です。以下、☗3五銀なら☖3四歩と打てば☗4四銀には☖6二角があるので後手も十分戦えます。
この展開は先手にある程度攻めさせながら捌きを狙う指し方です。この順を嫌うなら次の②☖5三金がオススメです。
基本図から②☖5三金
基本図では①☖5三金(第3図)として4四の地点を強化しておくのも有名な指し方です。☖5三金型なら4四の地点が強化されているので、先ほどの第2図に至る手順でも☗3四歩に☖同銀と取ることができます。
☖5三金型は非常にカタイ指し方で、先手の仕掛けそのものを封じる狙いです。例えば、第3図以下、☗3五歩には☖同歩☗同銀☖4二角☗3六歩☖3四歩(第4図)で、先手は☗4六銀と引き上げることになります。
形勢はまだ互角ですが、攻め込まれるのを嫌うなら②☖5三金は非常に有力な指し方です。
みんなの形勢判断
この戦型についてX(旧Twitter)でアンケートを取ってみました。
100名ほど回答いただいていています。やや先手持ちの声が多いですが、ほぼ互角と見てよいのではないでしょうか。後手は守勢に回る分ネガティブな評価になりやすいと思いますが、多少不利でも終盤に美濃囲いの暴力あります(笑)
また、指し手は☖5三金が一番人気で、仕掛けを封じ込める指し方が好まれるようです。アンケートの☖5一角も☗3五歩を突かせないようにして仕掛けを封じているので、仕掛けを封じるような指し方が75%以上の指示を得ているという結果です。
居飛車党は先手持ち、振り飛車党は後手持ちなのかもしれませんね。後日になりますが、ソフトでの検証結果を追記予定です。