☗4五歩早仕掛けvs.四間飛車

 
しめりけё
この記事では、ノーマル四間飛車に対する☗4五歩早仕掛けの調査結果をまとめています。

☗4五歩早仕掛けとは

第1図の形が☗4五歩早仕掛けと呼ばれる作戦です。

【第1図=☗3七桂まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29 ▲3七桂 まで

後手番

先手は飛車先を突破したいのですが、後手は☖3三角で2筋を守っています。☗4五歩から角を交換することで、飛車先を破る狙いです。

 
しめりけё
タイトル戦にも出現した有名な仕掛けです。

定跡手順の概要

第1図からの定跡を簡単にまとめておきます。

なお、☗4五歩早仕掛けは☗6八金型も指されていますが、本記事では☗6九金型を見ていきます。

第1図から☖7四歩

<第1図以下の指し手①>
☗2四歩   ☖同 歩
☗4四歩   ☖同 銀
☗4五歩   ☖同 銀
(=第2図)

【第2図=☖4五同銀まで】
後手の持駒:歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v角 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=7 △4五同銀 まで

第1図から①☖7四歩には、☗2四歩☖同歩と仕掛けていきます。後で☗2四飛と走れるように、あらかじめ2筋の歩を突き捨てるのがポイントです。

 
しめりけё
①☖7四歩では、②☖6三金とする手もあるので後で紹介します。

<第2図以下の指し手>
☗4五同桂  ☖4五同飛
☗3三角成  ☖同 桂
☗2四飛(=第3図)

【第3図=☗2四飛まで】
後手の持駒:角 桂 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v桂 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩 
手数=12 ▲2四飛 まで

後手番

第3図は飛車先の突破に成功し、先手良しです。第3図で☖6五桂は、☗4七歩で先手良しとされています。

 
しめりけё
第2図は変化が多いので、他の手順も補足しておきます。

変化1:第2図で☗3三角成

第2図の☗4五桂に代えて、☗3三角成☖同桂☗8八角(=変化図1)は、☖3六銀☗3三角成☖4七歩(=変化図2)と進みます。

【変化図1=☗8八角まで】
後手の持駒:角 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v桂 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=10 ▲8八角 まで

後手番
【変化図2=☖4七歩まで】
後手の持駒:角 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ 馬 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・v銀 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀v歩 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 
手数=13 △4七歩 まで
 
しめりけё
これは、☖5二金型が生きて後手がさせる変化です。

変化2:☗4五同桂に☖8八角成

第3図までの手順中、☗4五同桂(=変化図4)に☖8八角成は、☗同玉☖4五飛☗2三角☖2五飛☗同飛☖同歩☗2三角成(=変化図5)と進みます。

【変化図3=☗4五同桂まで】
後手の持駒:歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v角 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 
手数=8 ▲4五同桂 まで

後手番
【変化図5=☗3四角成まで】
後手の持駒:飛 角 桂 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・ 馬 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 玉 ・ ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 銀 歩 
手数=16 ▲3四角成 まで

後手番
 
しめりけё
変化図5は☗6八金型だったら☖8四桂が厳しいのですが、☗6九金型なので効果が薄くなっています。このため、☗4五同桂に☖8八角成は後手が面白くない変化とされています。

第1図から☖6三金

以上の変化を踏まえて、第1図では☖6三金(=第4図)もよく指されています。これは、☗2四歩に☖同角(=第5図)と取る狙いです。

【第4図=☖6三金まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=1 △6三金 まで
【第5図=☖2四同角まで】
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・v銀 ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩v角 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=3 △2四同角 まで
 
しめりけё
☖7四歩型で☖2四同角は、☗同飛☖同歩☗3一角がありました。☖6三金はこの筋を防いだ意味です。

<第1図以下の指し手②>
☖6三金(=第4図) ☗2四歩
☖同 角(=第5図) ☗4四歩
☖同 銀   ☗4三歩
☖同 飛   ☗2四飛
☖同 歩   ☗3二角
(=第6図)

【第6図=☗3二角まで】
後手の持駒:飛 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ 角 ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・v飛 ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v銀v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=10 ▲3二角 まで

後手番

第4図では、次に☖7四歩と突く手の価値が非常に高いので、先手は仕掛けることになります。第5図以下、①☗4四歩☖同銀☗4五歩も指されていますが、②☗2四同飛~☗3二角が盛んに研究されています。

<第6図以下の指し手>
☖4二飛   ☗2一角成
☖4一飛   ☗3三桂
☖5一飛   ☗9五歩
☖同 歩   ☗同 香
☖同 香   ☗4三歩
(=第7図)

【第7図=☗4三歩まで】
後手の持駒:香 歩四 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・v桂 ・v金v飛 ・ ・ 馬v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・ 歩 桂 ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩v歩v銀v歩v歩 ・|四
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| ・ 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=20 ▲4三歩 まで

後手番

この順は☖4一飛と打たれて馬の捕獲を狙いますが、☗9五歩が絶妙な継続手段で、第7図は先手持ちとされています。2枚の自陣飛車を使っていくのに時間がかかるため、後手が勝ち切るのは大変です。

定跡の結論

☗4五歩早仕掛けの結論をまとめておきます。

  • ☗4五歩早仕掛けは☗6九金型が有力。
  • ☗2四歩に対し、☖2四同歩と取る☖7四歩型、☖2四同角と取る☖6三金型があります。
  • どちらの変化も先手持ちとされており、☗4五歩早仕掛けには別の対策(玉頭銀)が研究されることになります。

有名局の勝率

局面ペディアで1図の局面を調べてみました。

結果の概要は以下のとおりです。

  • ☖7四歩型は先手6戦全勝です。
  • ☖6三金型は先手勝率57%で後手も善戦しています。
  • しかし、そのうちで飛車を☗4三歩~☗2四飛の変化は4勝1敗になっており、先手が大きく勝ち越せる可能性を秘めています。
 
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有力視されていた仕掛けだけあって、後手にとって厳しい結果になっています。

みんなの形勢判断

プロの有名局は先手が勝ち越していますが、アマチュアの認識はどうでしょうか。Twitterでアンケートを取ってみました。結果は以下のとおりです。

居飛車有利と考えている方が多いですが、半数の方は互角の勝負と考えているようです

また、第1図の局面で何を指したいかもアンケートを取りました。結果は、☖7四歩、☖6三金、☖1二香に同じくらい投票が入りました。みなさん好みで選んでいるようです。

ソフトでのシュミレーション

対局条件

第1図の局面を指定局面として、強豪ソフトでの連続対局を行ってみました。

【第1図=☗3七桂まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29 ▲3七桂 まで

後手番
  • 使用ソフト:水匠2
  • 持ち時間:秒読み3秒
  • 対局数:100局

対局結果

対局の集計結果を表1にまとめました。

勝数、負数、勝率は全て先手から見ての数字です。千日手局は指し直ししていませんので、合計対局数は100になっていません。後手にとって厳しい数字が並んでいます。

 
しめりけё
以下にソフトの対局内容をまとめますが、定跡と比較していて難しい内容になります。サクッと読みたい方は結果のまとめまで読み飛ばしてOKです。

☖6三金型

1番人気の☖1四歩も、☗1六歩と受けられて殆どが☖6三金型に合流します。代表例は第8図の形でした。

【第8図=☗4五歩まで】
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・ ・v角v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v銀v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=35 ▲4五歩 まで

後手番

ポイントは☗2四歩☖同角を入れていないことです。定跡は第5図のように☗2四歩☖同角を入れています。水匠2は☖3三銀と引かれる手を警戒しているのかもしれません。有名局の対局結果も、☖3三銀と引く形は先手の5勝6敗でした。

【第5図=☖2四同角まで】
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・v銀 ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩v角 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=3 △2四同角 まで

☗2四歩☖同角の交換を入れなかった効果は、第8図から☖4五同銀☗3三角成☖同桂☗6六角(=第9図)と進んだときに明らかになります。定跡編では、変化図2のように☖3六銀と出る手があって後手も戦えたのですが、☖6三金型なので☗3三角成を手抜けないのです。

【第9図=☗6六角まで】
後手の持駒:角 歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・ ・v桂v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 角 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=39 ▲6六角 まで

後手番
【変化図2=☖4七歩まで】
後手の持駒:角 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ 馬 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・v銀 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀v歩 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 
手数=13 △4七歩 まで

第9図は☖4四角と受けていますが、☗同角☖同飛☗6六角(☗8八角)と進んだ変化は10勝2敗の好成績を上げていました。

 
しめりけё
ちなみに、水匠2は☖2四同角型に対して☗4三歩~☗2四飛~☗3二角を選択していませんでした。

☖7四歩型

人間では人気のある☖7四歩型ですが、水匠2は2局しか指していませんでした。実戦は☖7四歩以下、第2図から変化図3へ進んでいます。(第2図から変化図3までの手順は、☗4四歩☖同銀☗2四歩☖同歩☗4五歩☖同銀☗同桂です。)

【第2図=☖4五同銀】
後手の持駒:歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v角 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=7 △4五同銀 まで
【変化図3=☗4五同桂】
後手の持駒:歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v角 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 
手数=8 ▲4五同桂 まで

後手番

変化図3以下、☖8八角成☗同玉☖4五飛と定跡通りに進みますが、そこで☗3二角(=第10図)が水匠2の好みでした。

【第10図=☗3二角】
後手の持駒:角 桂 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ 角 ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 玉 ・ ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 
手数=41 ▲3二角 まで

後手番

第10図の☗3二角では、定跡は☗2三角~☗3四角成を狙っていましたが、水匠2は☗5四角成と馬を作る手が、次の☗6四馬を見て厳しいと見ていました。

第10図の☗3二角では、定跡は変化図4のように☗2三角~☗3四角成を狙っていました。水匠2は☗5四角成と馬を作る手の方が、次の☗6四馬を見て厳しいと見ています

第10図以下、☖3三桂☗5四角成☖6五桂☗6四馬☖7三銀☗4六馬が一例で、難解ながらも水匠2は先手良しと評価しています。

 
しめりけё
実戦例は少なかったですが、水匠2もおよそ定跡通りの進行で満足していました。

ソフトの対局結果まとめ

  • ソフトも先手が指しやすいと見ています。
  • ☖6三金型には☗2四歩を突き捨てない構想を見せています。
  • このため、☖2四角型は現れませんでした。
  • ☖7四歩型は選択しない傾向があります。
  • ☖7四歩型に進んだ場合は、従来の定跡と同じ進行になっています。

☗4五歩早仕掛けの結論

  • 最善を尽くせば先手が勝ちやすい作戦と言えます。
  • ソフトも先手の勝率が高く、☗2四歩を突き捨てない構想も披露していました。
  • 後手は☗4五歩早仕掛けに対して指しづらいと思えば、第1図の形を避けて他の布陣を選択することになります。(玉頭銀や☖3二銀待機策など)
 
しめりけё
四間飛車党の方にとって残念な結果かもしれませんが、先手玉が薄いので、人間の場合は先手もかなり神経を使う作戦だと思います。
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