叡王戦の流れ
叡王戦のここまでの流れをおさらいしておきましょう。第1局目からの戦型と勝敗は以下のとおりです。
第1局 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 | 第6局 | 第7局 | 第8局 | 第9局 | |
永瀬叡王 | 千日手 | ● | 持将棋 | 持将棋 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | |
豊島竜王・名人 | 千日手 | ○ | 持将棋 | 持将棋 | ● | ● | ○ | ● | ○ | |
戦型 | 角換わり 早繰り銀 |
角換わり 後手右玉 |
角換わり 腰掛け銀 |
矢倉 脇システム |
横歩取り 青野流 |
相掛かり | 横歩取り 青野流 |
相掛かり |
角換わり |
8局目は豊島竜王・名人はもう負けられないカド番に立っていましたが、この時に採用した秘策が角換わり・☗4五桂超急戦です。
参考:叡王戦公式ホームページ
将棋サイト、えいえい王。現在再構築中です。…
☗4五桂超急戦とは
第1図は角換わりの序盤で、叡王戦第8局もこの局面を迎えました。☗4五桂超急戦は、ここから☗3五歩☖同歩☗4五桂(=第2図)と仕掛けます。
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=22 △6四歩 まで
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=25 ▲4五桂 まで
後手番
この作戦は近年注目されている仕掛けで、数年前までは存在しなかった仕掛けです。事の発端は藤井聡太二冠が当時羽生九段を一刀両断した第3図の将棋だと思います。
第3図は2017年の藤井聡太四段炎の七番勝負の第7局、☗藤井四段対☖羽生三冠戦です。(肩書は当時)この将棋は藤井四段が☗4五桂から仕掛けて完勝したことは覚えている方も多いと思います。
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v銀v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=27 ▲4五桂 まで
後手番
この将棋を境に、後手は☗4五桂の仕掛けを警戒するようになります。そして行きついたのが第1図―――という流れです。(厳密には1筋の突き合いがない第4図が先に指されるようになっています。)
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=22 △6四歩 まで
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=20 △6四歩 まで
第1図自体はすでにプロでも実戦例がある仕掛けですが、豊島竜王・名人も勝算アリと見て採用したものと思います。
☗4五桂超急戦のシミュレーション
前置きが長くなりましたが、☗4五桂超急戦の焦点は第1図、第4図から☗3五歩☖同歩☗同飛の仕掛けが成立するか―――というところにあります。
この記事では、第1図、第4図からの攻防を強豪AIにシュミレーションしてもらいました。
対局条件
第1図、第4図から☗3五歩☖同歩☗4五桂と仕掛ける将棋を、AIに100局ずつ指してもらいました。(=第2図、第5図)対局条件は以下のとおりです
- 使用ソフト:JKishi18gou_m
- 持ち時間:秒読み5秒
- 対局数:第2図、第5図から各100局ずつ
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=25 ▲4五桂 まで
後手番
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=23 ▲4五桂 まで
後手番
対局結果
対局の結果を表1にまとめました。

仕掛け以降の手順について
第2図(端歩の突き合いあり)以降の手順
まずは第2図以下の進行を紹介します。第2図では、☖4四銀と☖2二銀が考えられますが、勝率はどちらの手もあまり差がありませんでした。
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=25 ▲4五桂 まで
後手番

以降の展開を簡単にまとめておくと、
①☖4四銀には☗1五歩(=第6図)と突きます、以下、(1)☖1五同歩には☗3四角(=第7図)で先手良しです。次の☗2四歩~☗2四飛が厳しく、☖4一角と受けるのでは面白くありません。
したがって、☗1五歩には(2)☖8六歩から攻め合いになっていました。
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・v銀 ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=27 ▲1五歩 まで
後手番
後手の持駒:角 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・v銀 角 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩v歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29 ▲3四角 まで
後手番
また、②☖2二銀にも☗1五歩(=第8図)と突きます。以下、(1)☖1五同歩には☗2四歩☖同歩☗同飛☖2三歩☗6四飛(=第9図)と進み、☗1三歩からの端攻めを狙う展開です。
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=27 ▲1五歩 まで
後手番
後手の持駒:角 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 ・v歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二
手数=33 ▲6四飛 まで
後手番
また、第8図の☗1五歩に対しては手抜きで☖4四歩(=第10図)も指されています。以下、☗2四歩☖同歩☗1四歩☖4五歩☗1三歩成(=第11図)と進みます。
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩 ・ ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=28 △4四歩 まで
後手の持駒:角 桂 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・ と|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩 ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩
手数=33 ▲1三歩成 まで
後手番
第11図は激戦に見えますが、先手の14勝3敗(82%)で、これも後手が苦しそうな戦績です。
第11図以下、☖1三同香☗1三歩☖3六桂の進行は9局あったのですが、先手の全勝でした。☗2四飛~☗6四飛のときに後手玉が狭くなってしまう(6筋に金銀の壁ができる)のがたたっている傾向にありました。
第5図(端歩の突き合いなし)以降の手順
1筋の付き合いは先手に有利に働きました。そもそも、後手は☖1四歩と受けずに他の手を優先してくるかもしれません。☗1六歩を省略しても☗4五桂超急戦が成立すれば、先手はさらに仕掛けの形を作りやすくなります。
ということで、第5図の形にも需要があるというわけです。第5図以下の指し手と勝率を表3にまとめてみました。
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=23 ▲4五桂 まで
後手番

第5図以下、①☖4四銀には☗2四歩☖同歩☗同飛☖2三歩☗2九飛(=第12図)と進んでいます。
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v銀 ・ ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩
手数=29 ▲2九飛 まで
後手番
第12図からは☗3八金~☗6八玉と穏やかな流れになりますが、桂を取られる心配がなく、☗3三歩や☗3四角などの攻めが残っているので先手が指しやすそうです。
表3で見たとおり、有望そうなのは第5図で☖2二銀と引く変化です。以下、☗2四歩☖同歩☗同飛☖2三歩☗6四飛☖5二金☗2四歩☖同歩☗6六角(=第13図)が主要な変化でした。
後手の持駒:角 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金v玉v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・v歩 ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 角 ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=33 ▲6六角 まで
後手番
1筋交換型(第2図)では☗1五歩から手をつけていましたが、端の交換がないので☗6六角から攻めを見せています。第13図で☖3六歩と突き出すことになりますが、この変化は先手の7勝10敗で(41%)で、先手負け越しの変化となっています。
対局結果まとめ
対局結果のまとめです。
- 1筋を突き合った第2図では、☗4五桂に対して☖2二銀でも☖4四銀でも1筋から攻め切られる可能性が高いです。
- 1筋の突き合いのない第5図は☗4五桂に☖2二銀で後手も頑張れる可能性があります。
☗4五桂超急戦まとめ
☗4五桂超急戦は豊島竜王・名人が叡王戦のカド番に持ってきた秘策でしたが、シミュレーションの結果からは非常に有力な仕掛けと考えられます。
後手は第2図や第5図からの仕掛けに対して、対抗策を見つけることができるのか、それともこれらの形を避けるようになるのか、要注目です。