石川四段の著書『攻める振り飛車 三間飛車トマホーク』が発売されました。三間飛車党は必読です!
基本情報
タイトル:攻める振り飛車 三間飛車トマホーク
著者:石川優太
出版社:マイナビ出版
発売日:2021年4月16日
本書は三間飛車を得意とする石川優太四段が解説したトマホークの戦術書です。トマホークは一直線穴熊に対して非常に有力な戦法で、プロの間でもよく指されています。
トマホークを指しこなすコツは絶対に攻めを切らさないこと。時には細い攻めをつなぐ技術が求められます。
本書で解説するトマホークは、B面攻撃や上級手筋を駆使してとにかく攻めをつなぎ通します。他のトマホークとは一線を画す石川優太のトマホークをお楽しみください。
マイナビBOOKSホームページより
藤井システムの思想を三間飛車に融合させたトマホーク。穴熊に苦戦している三間飛車党の救世主である。指しこなすコツはたった1つ”攻めをつなぎ通すこと”一味も二味も違う石川優太のトマホークを体感してほしい。
裏表紙より
石川四段は2019年にプロデビューした新進気鋭の振り飛車党です。三間飛車がすごく面白いとコメントされています。
内容構成
第1章 攻め重視の☗4五銀・☗1七桂型
この章では、第1図の形からの攻防が詳しく解説されています。
第1図は、トマホークの基本図と言える形です。ここから、①☖3二金、②☖1五角、③☖2四歩が代表的な進行で、それぞれ解説されています。
第2章 玉頭銀を恐れない☖8二飛型
第1図は先手が指せると言われています。そこで、後手の対策としてあげられているのが第2図の☖8二飛型です。
第2図は☗3四銀に☖4二角と引いて戦う方針です。後で☖5四歩〜☖5三銀〜☖4四銀や、☖3三歩と打つ余地があり、石川四段は後手が面白いと見ているものと思います。
個人的にもこのような変化を嫌ってあぴまる流の本では☗6七銀・☗1七桂型を執筆しました。
第3章 工夫の☗6七銀・☗1七桂型
第2図は先手大変と見て、第3図の☗6七銀・☗1七桂型が掘り下げられています。左銀の活用よりも右桂の活用を急ぐのは、『あぴまる流今日から捌ける三間飛車』の4巻、5巻と全く同じです。
あぴまる流は全て三間飛車が後手番としているので、第3図で☗3八銀の一手が入っていない状態になっています。
この一手の違いが非常に大きく後の攻防に影響するので、先手番は三間飛車トマホーク、後手番は今日から捌ける三間飛車④、⑤で覚えるのが良いと思います。
もちろん、第1図のトマホークも非常に有力です。ここは、好みで選ぶところだと思います。
勝手にレビュー&ランク付け
A+ランク!これからトマホークを身に着けたい方向けの良書だと思います。
近年は5筋歩突き穴熊がめっきり減ってしまい、本書の内容が活かせるチャンスも減ってきているのが非常に残念です。とはいえ、穴熊対策は必須なので、絶対に押さえておきたい内容だと思います。
重複しますが、本書は先手番のトマホークの解説書なので、後手番の対策に是非あぴまる流の書籍も目を通して頂けると嬉しいです。
関連書籍
トマホーク関連の書籍をいくつかピックアップしておきます。