基本情報
- タイトル:プロの実戦に学ぶ 三間飛車VS左美濃
- 著者:小倉久史
- 出版社:マイナビ出版
- 発売日:2020年 6月 16日
小倉久史七段とは
小倉久史七段は三間飛車のスペシャリストで、『下町流三間飛車』と呼ばれる戦い方が有名です。また、弟子の山本博志四段も三間飛車党で、師弟で三間飛車を得意としています。
内容構成
目次
第1章 昭和の三間飛車 対 左美濃
- 第1節 ☖2二玉型左美濃 対 三間石田流
- 第2節 ☖2二玉型左美濃 対 ☗5七銀型四枚美濃
- 第3節 大山十五世名人の三間飛車穴熊
- 第4節 大内延介の三間飛車穴熊
- 第5節 ☖2二玉型左美濃右四間飛車
- 第6節 実戦編
第2章 平成の三間飛車 対 左美濃
- 第1節 ☖2三玉型左美濃 対 三間石田流
- 第2節 ☖2三玉型左美濃 対 ☗5七銀型四枚美濃
- 第3節 ☖2三玉型左美濃☖6四銀からの攻撃
- 第4節 ☖2三玉型左美濃 対 三間飛車穴熊
- 第5節 三間飛車穴熊 石田流
- 第6節 ☖2三玉型左美濃 相穴熊
- 第7節 実戦編
第3章 令和の三間飛車 対 左美濃
- 第1節 ☖3一玉型左美濃 対 初手☗7八飛
- 第2節 実戦編
内容予想
昭和、平成、令和のそれぞれの時代の三間飛車VS左美濃の特徴を振り返りながら、最新の対策を解説した内容になっていると思われます。参考図1のような☖3一玉型の左美濃が令和の最新形を取り上げていることにも注目です。
なお、左美濃流行の要因は、冒頭でも述べたトマホークの出現により居飛車穴熊の地位が揺らいだことによります。
平成までは三間飛車には5筋を突かずに穴熊を目指す指し方が主流でした。しかし、近年は参考図2(=トマホーク)の優秀性が認められて、一直線に穴熊を目指しづらい環境になりました。
結果として見直され採用が増えてきているのが左美濃です。穴熊ほどの堅さはないものの、三間飛車の美濃囲いと同程度の堅さでバランス良く戦うスタイルです。これまでは穴熊の勝率が高かったため、しばらく日の目を浴びてきませんでしたが今後増えていくと思われます。三間飛車党としては対策が欠かせません。
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本書のターゲット層
対左美濃の定跡書が極端に少ないため、全ての三間飛車党がターゲットだと思います。小倉七段の著書は難しい内容でないことが多いので、級位者にも薦められる書籍の可能性が高いです。
目次を見る限り、かなり幅広い戦い方を解説していると思います。特に、三間飛車穴熊の解説がある点は注目です。ノーマル三間飛車党で穴熊を指す棋士は殆どいないので、この道のスペシャリストである小倉七段の著書は待ちわびている方が多いと思います。